HyperDeck Studio で推奨のSDカードと容量別の収録時間

Blackmagic Design（ブラックマジックデザイン）HyperDeck Studio シリーズでの使用で推奨されているSDカードは、Amazonや家電量販店などで手に入りますが収録を行う解像度でカードに必要な転送速度が変わります。

また、同じSDカードの容量でも収録前に選択するコーデックによって収録時間が大きく変わるため、収録後に期待する映像クオリティによってカードに必要な容量が変わってきます。

そのため、HyperDeck Studio シリーズの導入にあたり新たにSDカードを購入する必要がある方のために、どんなカードを選べばいいのか？をかんたんに解説していきます。

SDカードで収録できる時間

まず前置きですが、筆者自身は HyperDeck Studio HD Plus を使用していますが、HyperDeck Studio HD Mini をお使いの方も、対応している収録解像度などは異なりますが基本的に選ぶSDカードは同じとお考えください。

また、ここで記載されている収録時間は理論値であり、条件や環境によって実際の収録時間は異なりますのであくまで目安としてお考えください。

ProRes 720p 59.94での収録時間の目安

	HQ	422	LT	Proxy
16GB	10分	15分	22分	47分
32GB	19分	29分	43分	1時間35分
64GB	39分	58分	1時間25分	3時間09分
128GB	1時間17分	1時間56分	2時間50分	6時間18分
256GB	2時間34分	3時間52分	5時間41分	12時間37分

データ引用元：PANDA STUDIO

ProRes 1080p 24での収録時間の目安

	HQ	422	LT	Proxy
16GB	12分	19分	26分	1時間
32GB	24分	37分	52分	1時間59分
64GB	48分	1時間13分	1時間44分	3時間57分
128GB	1時間37分	2時間26分	3時間28分	7時間54分
256GB	3時間14分	4時間52分	6時間56分	15時間48分

データ引用元：PANDA STUDIO

ProRes 1080i 59.94/1080p 29.97での収録時間の目安

	HQ	422	LT	Proxy
16GB	9分	14分	21分	47分
32GB	19分	29分	42分	1時間35分
64GB	39分	58分	1時間24分	3時間10分
128GB	1時間18分	1時間56分	2時間47分	6時間19分
256GB	2時間32分	3時間52分	5時間34分	12時間38分

データ引用元：PANDA STUDIO

ProRes 1080p 59.94での収録時間の目安

	HQ	422	LT	Proxy
16GB	5分	7分	10分	23分
32GB	10分	15分	21分	47分
64GB	19分	29分	42分	1時間35分
128GB	39分	58分	1時間24分	3時間10分
256GB	1時間18分	1時間56分	2時間47分	6時間19分

データ引用元：PANDA STUDIO

ProRes 2160p 29.97での収録時間目安

	HQ	422	LT	Proxy
16GB	–	–	–	–
32GB	5分	7分	10分	23分
64GB	10分	14分	21分	47分
128GB	20分	29分	41分	1時間35分
256GB	–	–	–	–

データ引用元：PANDA STUDIO

どの容量を選べば良いのか？

テレビ業界の方やクライアントからの依頼制作物として映像を扱う方々は、ProRes HQやそれ以上のコーデックで収録を行うでしょうから256GBよりも大きな容量が必要になる場面が多いでしょう。

一方、YouTubeなどのWeb動画を扱う方や個人で動画制作を行う方は、ある程度クオリティが担保できなおかつ容量も節約できるProRes LTが扱いやすいでしょう。

ProRes LTであれば、Full HD（1080p）59.94収録でも256GBのSDカードで2時間47分程度の収録が可能ですので、容量が足りなくなるケースは少ないでしょう。

もちろん容量は多いに越したことはないので、必要に応じて容量の大きなSDカードを選ぶのが良いでしょう。

SDカードに必要なデータ転送速度

HyperDeck Studio シリーズでの収録を行う際に最も厄介なのが「コマ落ち」です。

コマ落ちとは、収録した動画データの一部フレームが抜け落ちている（収録されていない）状態を指しますが、これが起こると DaVinci Resolve で書き出した際にクリップの一部分がメディアオフラインとなってしまい書き出しを行う際にエラーが起こってしまいます。

メディアオフライン部分だけを切り取って書き出すことはできますが、動画が不自然に飛んでしまうので基本的には撮り直しということになります。

筆者自身もコマ落ちには何度も悩まされており、このコマ落ちが起きる一番の原因としてSDカードの転送速度が足りていないことが起因します。

そのため、HyperDeck Studio シリーズで収録を行う方はSDカードの転送速度が重要になります。

メーカーで推奨となる速度は、収録を行う解像度によって異なり下記のようになりますので必ず確認しておきましょう。

解像度	必要な転送速度
HD1080p 60	90MB/s
Ultra HD2160p 30 ※HyperDeck Studio HD Mini 非対応	300MB/s

300MB/sとなると本記事執筆時点※でほぼ最高性能のSDカードが必要になるため、4K動画を扱う方は特に注意してSDカードを選択しましょう。

※2024年4月

メーカー推奨 SDカード＆SSD

Blackmagic Design（ブラックマジックデザイン）が推奨するSDカードをメーカーHPから引用させていただきました。

やはり海外で多く流通しているブランドのため、日本ではあまり馴染みないメーカーのSDカードが多いですが日本で買えるものも多く存在します。

また、次項では推奨カードではないですが、筆者が実際に使用できているSDカードとSSDも紹介していますので参考にしてください。

ブラックマジックデザイン公式ページはこちら

HyperDeck Studio で推奨される SDカード

HyperDeck Studio HD Mini 対応解像度

HyperDeck Studio HD Plus 対応解像度

HyperDeck Studio で推奨されている SSD

HyperDeck Studio HD Mini 対応解像度

HyperDeck Studio HD Plus 対応解像度

推奨品ではないけど実際に使えているSDカード＆SSD

筆者自身が手持ちで使っているSDカードでの動作検証を行ってみました。

結果として、メーカー推奨値の300MB/sでなくとも2160p 29.97 ProRes HQの収録は問題なく行えることが分かりましたので、新たに購入せずとも手持ちのSDカードで済ませたい方の参考になれば幸いです。

Nextorage SDXCメモリーカード 256GB NX-F2SE256G/INE

容量	256GB
転送速度（リード）	280MB/s
2160p 29.97 ProRes HQ	⚪︎
1080p 59.94 ProRes HQ	⚪︎

手持ちのSDカードの中で最も転送速度の速いものでしたが、メーカー基準の300MB/sには満たないため2160p 29.97 ProRes HQの収録に不安がありましたが、問題なく収録可能でした。

SONY SDXCメモリーカード 256GB SF-M256T

容量	256GB
転送速度（リード）	277MB/s
2160p 29.97 ProRes HQ	⚪︎
1080p 59.94 ProRes HQ	⚪︎

SONYのカメラを使っている方でしたらお持ちの方も多いのではないでしょうか？こちらはプログレードの「G」ではない下位グレードのSDカードですが、2160p 29.97 ProRes HQの収録も問題なく可能でした。

ProGrade Digital SDXCメモリーカード 128GB GOLD

容量	128GB
転送速度（リード）	250MB/s
2160p 29.97 ProRes HQ	×（1分程度の収録でRECボタンが高速点灯）
1080p 59.94 ProRes HQ	⚪︎

転送速度250MB/sと少々不安でしたが、案の定2160p 29.97 ProRes HQでの収録は1分程度でRECボタンが高速点灯し始めました。

ProGradeは、300MB/s出る上位グレードがありますので、4K収録を行う場合はそちらをおすすめします。

SanDisk SDXCメモリーカード 128GB Extreme

容量	128GB
転送速度（リード）	90MB/s
2160p 29.97 ProRes HQ	×（10秒程度の収録でRECボタンが高速点灯）
1080p 59.94 ProRes HQ	⚪︎

かなり昔に購入したSDカードで、V30の90MB/sというスペックですが1080p 59.94 ProRes HQ収録は問題なく可能でした。

今サンディスクを買うなら新しいもので高速な転送速度のものがありますのでそちらをおすすめします。

SanDisk SSD 外付け SSD 1TB SDSSDE60-1T00-GH25

容量	1TB
転送速度（リード）	550MB/s
2160p 29.97 ProRes HQ	⚪︎
1080p 59.94 ProRes HQ	⚪︎

ポータブルSSDといえばお馴染みのモデルですが、こちらもかなり前に購入したSSDでしたが、2160p 29.97 ProRes HQ収録は問題なく行うことができました。

ただし、ケーブルによってはRECボタンが高速点灯してしまうので使用するケーブルは選んだ方が良いでしょう。筆者は Belkin Thunderbolt4/USB4ケーブルを使用して検証を行いました。

またこのモデルは、1世代か2世代前のモデルのため現在は1050MB/sと超高速転送に対応したモデルが出ているためそちらをおすすめします。

SanDisk Professional 外付け SSD 4TB PRO-G40

容量	4TB
転送速度（リード）	3,000MB/s
2160p 29.97 ProRes HQ	×（認識しない）
1080p 59.94 ProRes HQ	×（認識しない）

HyperDeckシリーズの上位モデル、HyperDeck Studio 4K Pro では使用できたのですが HyperDeck Studio HD Plusでは認識せず、ケーブルを色々変えても結果は変わらなかったのでこのSSDでは検証は行えませんでした。

SDカードのフォーマットは本体で可能

新しく購入したSDカードは、HyperDeck Studio シリーズ本体でフォーマットが可能です。

PCを立ち上げなくても本体、電源コード（別売り）、SDカードがあれば exFAT（Windows/Mac）またはHFS+（Mac）にフォーマット可能で、その後すぐに使用を開始できます。

フォーマットはSDカードを本体に差し込みメニューからかんたんに行えます。

フォーマットの手順

以上の手順でフォーマットを行うことができます。