自撮り系YouTuberの生産性を上げるオーディオインターフェイスと他機器との接続例を、筆者が自作した配線図を見ながら紹介します。
紹介する機材はあくまで一例ですが、実際に私自身が使用する現環境の機材と接続方法で、収録から編集時の時間軽減に役立つ機材構成になっていますので参考にしていただけますと幸いです。
オーディオインターフェイスの接続例
▽オーディオ I/Fとその他機材の配線図▽
※気になる機材やケーブルはリンクになっているため販売店で詳細を確認できます
使用するMacBook Proに付いているThunderboltポートの高速転送を生かし、PC接続機器(オーディオインターフェイスやビデオキャプチャ)はThunderbolt対応機材を選択しています。
私の場合は、上記機材の他にもThunderbolt対応のSSDなどを接続すると、PCの2ポートだけでは足りないためドッグとUSBハブを使用、これは利便性を求めた結果ですが、本来であればこれらを省いてオーディオインターフェイスとビデオキャプはPC直付けの方が良いでしょう。
別撮り音声と映像
・音声:マイク→オーディオインターフェイス→ビデオキャプチャ→USBハブ→ドッキングステーション→PC
別撮り音声は、宅録で環境音が乗りにくいダイナミックマイクを選択、オーディオインターフェイス内蔵のプリアンプでゲインを稼ぎつつラインアウトでビデオキャプチャを経由しPCへ。
・映像:カメラ→ビデオキャプチャ→USBハブ→ドッキングステーション→PC
カメラから送られた映像が、ビデオキャプチャでオーディオインターフェイスから送られる音声と結合されPCへ。
また、必要であれば収録中の映像と音声のモニタリングが可能となっており、映像はビデオキャプチャのHDMIアウトからモニターに接続すればモニタリングが可能で、音声はオーディオインターフェイスまたはビデオキャプチャのフォン出力からヘッドフォンでモニタリングが可能なため、別撮り音声の確認ができます。
モニタリングしながら喋りづらい場合は、オーディオインターフェイス(またはビデオキャプチャ)のディスプレイで音声メーターが動いているのがチェックできるため安心して収録を行えます。
機材構成の目的
この構成の目的は、映像と音声を高画質&高音質で同時にPCに取り込むことにあります。
オーディオインターフェイスを主として書いていますが、生産性を上げる鍵となっているのはビデオキャプチャで、カメラからの映像とオーディオインターフェイスを経由したマイクの音声を、Thunderbolt経由でPCに取り込むことができるようになっています。
完全同期とまではいきませんが、後で同期が必要ないレベルで映像と別撮り音声を同時に収録ができ、このデータをPCで直接取り込みそのまま編集ができるため、SDカードを差し替えてデータを移す作業がいりません。
PCのディスク容量を圧迫したくない場合は、ビデオキャプチャにSDカードスロットが付いているためSDカードに保存することもでき、この場合もビデオキャプチャがカードリーダーの役割を持つためPCにデータを移す必要は無く、ビデオキャプチャにSDカードを差したまま編集が行えます。
オーディオインターフェイスのつなぎ方
▽オーディオ I/Fの使用端子▽
PC↔︎ドッキングステーション↔︎USBハブの接続はThunderboltケーブル、マイク入力はXLRケーブル、ビデオキャプチャへの出力はTRSケーブルを使用しています。
YouTuberの場合(特に機材レビュー系)は、動画の内容によって他機器との接続が増える場合を考慮し、オーディオインターフェイスは入出力端子が豊富なものを選ぶことをおすすめします。
その点、Zen Q Synergy Coreは入出力端子が豊富ですし、何よりプリアンプが良いので撮り音がクリアで、高性能なDACが内蔵されているので出音も良いのが特徴です。
必要な電源について
本構成で必要な電源コンセントは6口です。
- PC
- ドッキングステーション
- USBハブ
- モニター
- ビデオキャプチャ
- スピーカー
オーディオインターフェイスは、USBハブから供給される電源(バスパワー)で動くため必要ありません。
通常の電源タップで問題ありませんが、タコ足配線などから来る電源ノイズは意外と厄介なのでノイズ対策のためにも、また雷などでショートした際に高価な機材を守るためにもサージノイズフィルター付きのパワーディストリビューターを用意することをおすすめします。
よろしければ筆者使用のパワーディストリビューター/コンディショナーを参考にしてください。
・FURMAN ( ファーマン ) / SS-6B
・FURMAN ( ファーマン ) / M-8X2
・FURMAN ( ファーマン ) / M-8Lx
機材一覧と代替機材
紹介した機材は、私の自宅収録の際にベストだと思われる機材構成となりますが、他の機材でも同じような構成を組むことは可能ですので代替が可能な機材を紹介します。
オーディオインターフェイス
▽使用したオーディオインターフェイス▽
・ANTELOPE AUDIO Zen Q Synergy Core Thunderbolt
音質に定評のあるANTELOPE AUDIO ( アンテロープオーディオ )。
とにかくクリアな撮り音と出音で、ゲイン不足に陥りやすいダイナミックマイクでもゲインを65dBまで増幅可能な内蔵プリアンプを2基搭載し、ビデオキャプチャなどに音声を出力するためのラインアウトなど豊富な出入力が特徴ですが、下記機材でも代替が可能です。
▽代替オーディオインターフェイス▽
・MOTU ( モツ ) / M4
・STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR44C
・FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett 18i8 (gen. 3)
マイク
▽使用したマイク▽
宅録で使い勝手の良いSHURE(シュア)のダイナミックマイク。
防音(またはそれと同等程度の)環境でない自宅での撮影を考慮しダイナミックマイクを選択、コンデンサーマイクに比べ細かいセッティングが不要でエアコンなどの外部騒音をあまり気にせずクリアな音声収録が可能ですが、下記機材でも代替が可能です。
▽代替マイク▽
・SHURE ( シュア ) / SM58
・SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / E945
・TELEFUNKEN ( テレフンケン ) / M80
ヘッドフォン
▽使用したヘッドフォン▽
SONY(ソニー)の新定番モニターヘッドフォン。
定番のMDR-CD900STに変わるスタジオモニターヘッドホンで現代の音楽に対応できるよう改良が加えられたモデル、音声を忠実に再現する高い解像度とプロユースに耐えうる耐久性が魅力ですが、下記機材でも代替が可能です。
▽代替ヘッドフォン▽
・audio technica ( オーディオテクニカ ) / ATH-M50x
・YAMAHA ( ヤマハ ) / HPH-MT8
・AKG ( アーカーゲー ) / K271MK2
ビデオキャプチャ
▽使用したビデオキャプチャ▽
・Blackmagic Design UltraStudio 4K Mini
Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)の4K60pまでキャプチャ可能なプロ仕様のビデオキャプチャーボード。
HMDIイン/アウト・アナログオーティオイン/アウトの端子があるため映像と音声の同時収録が可能、またPCとThunderboltで接続できるため転送速度にも期待でき収録データをそのままPCで編集が可能です。
下記機材でも代替が可能ですが、対応する解像度やフレームレートが異なるためご注意ください。
▽代替ビデオキャプチャ▽
・ROLAND ( ローランド ) / UVC-01
・CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CHD312
カメラ
▽使用したカメラ▽
SONY(ソニー)α7シリーズのミドルレンジ帯ミラーレスカメラ。
写真・動画性能ともにバランスの取れた製品、映像を出力するためのHDMIアウトがあるためPCやビデオキャプチャに映像を直接送ることができます。
カメラに関してはHDMI出力ポートが付いているものがほとんどですので、お手持ちのカメラやお持ちでなければ好きなものを選ぶのが良いでしょう。
その他機材一覧
・CalDigit TS3 Plus(ドッキングステーション)
・CalDigit Thunderbolt 4 Element Hub(USBハブ)
・IK MULTIMEDIA iLoud Micro Monitor(スピーカー)
・Thunderboltケーブル
・XLRケーブル
・TRSケーブル
・TRS to RCAケーブル
・HDMIケーブル
・DisplayPortケーブル
本構成のポイントまとめ
- ANTELOPE AUDIO Zenシリーズの+65dBの内蔵プリアンプでダイナミックマイクでもゲイン不足が無い
- Zen Q Synergy Coreはモニターアウトのほか音声のライン出力ができる
- Zen Q Synergy CoreはDACが優秀なので日々の音楽鑑賞やYouTubeの視聴も高音質
- ライン入力端子が付いたビデオキャプチャがあれば映像と別撮り音声の同時収録が可能
- 再同期が必要ないレベルで同期ができ取り込んだデータをPCでそのまま編集可能
- 撮り忘れがちな別撮り音声もモニタリングor音声メーターでチェックができる
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